建設キャリアアップシステム(CCUS)について

これまで少子高齢化で起こる人口減少問題に対する課題の一つとして建設産業の担い手をどのように確保するか、という事を見てきました。
建設業の担い手確保の方策として、私は「適正な給与体系」構築を揚げました。その一例として建設キャリアアップシステム(CCUS)を示しました。今日はこの建設キャリアアップシステム(CCUS)について述べます。

【ご注意】

基本的には「技術士建設部門最新キーワード100」[1]の記述を元に以下に述べます。

「0背景と現状把握」「1課題抽出」「2解決策提示」「3評価」「4技術者倫理」の順で述べる予定ですが、学習の進捗状況により、各項の内容を後日追記していく形となる事もあります。(追記なしでそのまま終わらせる場合もあります)

【ご注意おわり】

0.背景と現状把握

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、技能労働者の就労履歴、保有資格、社会保険加入状況等をデータベース化したものです。


個々の作業員が持つ経験や能力をデータベースに格納し、それを可視化することで利害関係者が情報を共有することができます。蓄積されたデータをもとに、能力評価基準や技能職歴に応じた賃金体系を検討すれば、適正な給与体系構築へとつながっていく事が期待されます。

0.1発注者のメリット

発注者のメリットとしては、書類事務作業の効率化や週休二日制の推進があります。

0.2雇用者のメリット

雇用者のメリットとしては、技能労働者処遇改善(労働者の経験や技能に応じた処遇構築が可)、会社として専門工事会社としての能力をアピールできる。現場管理の効率化を図れるといった事が挙げられます。また公共工事の入札等で優遇されます(評価項目が加算される)

0.3労働者本人のメリット

そして労働者本人のメリットとしては、以下のようなものが考えられます。


【適正な処遇】

蓄積データを基にした客観的な賃金体系が構築されることにより、スキルやキャリアが可視化されるため適正な給与体系による恩恵を享受できる可能性がある。


【適正な休暇取得】

また可視化されたデータベースを参照されるため、対外的(対発注者)な配慮を雇用会社が行う必要があり、週休二日など適正な休暇が取得できる可能性がある。

【キャリアアップの目標が明確化する~希望が持てる】

自分の努力により資格等を保有すれば、適正に評価されることとなり、仕事のやりがいができ、キャリアパスの見通しを持てて、将来に希望を見出すことができる可能性がある。

1.課題抽出

建設キャリアアップシステム(CCUS)は新しいシステムです。新しいシステムを導入する場合、その初期には様々な既存のシステムとの葛藤があり、それを克服していく必要があります。ここで挙げる「課題」も新システム稼働初期には、多くの場合起こり得る過渡的な問題であると言えます。

実際にCCUSシステムを稼働する場合、下請として働いてくれている協力会社の下位の下請問題(「現場入場可能なのは二次下請けまで」等の「現場による縛り」を受ける場合も出ている)や一人親方等の問題点も浮き彫りとなります。」(建設産業の担い手確保について

参考
[1]2022年版 技術士第二次試験 建設部門 最新キーワード100 ,西村隆司,日経コンストラクション

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