維持管理の業務で現場に立つことも多い昨今です。
実際に陸上目視、海上目視、潜水調査等点検業務をしている作業員のみなさんに同道して作業指揮や業務指導等を行っています。
そのために現場に立っている間は、水際に立っているがゆえに、否応なしに海の状況等を常に目にすることとなります。
さて、
とある現場では西側から東側に1.5kmほど延びた防波堤を調査することとなりました。車が使えない場所であるため、徒歩での調査となりました。
防波堤上を歩いている間、起点側(西側)防波堤根元の水面から終点側(東側)の防波堤先端の水面までを観察することができます。
ちなみにその現場は、10m/s近い西風<*>が毎日吹いています。(通常の工事等の作業なら中止基準に該当するレベルに近いレベルの風も平気で吹くのです。)
(*「10m/s」程度だと定量的な推計ができた根拠は、近所の工事現場に掲揚していた吹き流しが「真横」に流れていたからです)
調査をしている際も、毎日毎日、強い西風はやむことはありませんでした。
そのような条件の中で以下のような状況が観察されました。
【1起点側の波】
起点側の波を見ると強い西風(この際の実際の風速は計測していません)にも関わらず「さざ波」のような状況です。
【2終点側の波】
しかし終点側では波が高くなっているのがわかります。(ごめんなさい、この際の実際の風速は計測していません。)
【3観察から考えたこと】
実際の風速を厳密に計測はしていませんが、強い風の中で感覚的に思い出したのが波の発達に関する経験公式です。
ここにUは風速(m/s)、Fは吹送距離(m)
要するに風速・風が吹いている海域が長いほど波は発達するということです。なるほど、確かにこれは現場で実感できました。
ちなみに、波高とエネルギーの関係はどうでしょうか。
規則波のケースで見ると単位面積あたりの運動エネルギーは以下のようになります。
静水面を基準とした位置エネルギーは以下の通り
ただし上式第2項は水本来が持つ位置エネルギーなので波の位置エネルギーは第1項のみ。そうすると、合計した単位面積あたりの波の全エネルギーは以下の通り。
つまり、波高が高くなればエネルギーも大きくなるということです。
このような小ネタを念頭に入れておけば
「この施設で大きなエネルギーを受ける可能性がある先端部分に変状・変位はないのだろうか?」
などと新たな視点が生まれて、実際の調査に生かすことができるかもしれませんね。
(次回現場に立つときは、簡易風速計を持参します)